「定年は生前葬なのか?」定年後の生き方を学べる作品紹介

2019年9月5日

こんにちは、生前SHOW!編集部の鈴木です。

「定年は生前葬」
この言葉から始まる小説があるのをご存知でしょうか。

『終わった人』

2018年に映画化され、舘ひろしさんを主人公に据え、定年後の男性サラリーマンの辛さを描いた映画です。

今回は、『終わった人』に加え、定年を迎えた人たちの生き方にフォーカスした作品をご紹介します。

あなたの生き方の参考になれば幸いです。

サラリーマンとして成仏できなかった『終わった人』

『終わった人』の概要

内館牧子さんの小説『終わった人』。
主人公は東大法学部卒の銀行員です。

輝かしい経歴とは裏腹に、 定年後の彼は地獄を見ることになります。

地獄その1:時間のつぶし方が分からない

定年から2日目、散歩をしながら何をしようかと 公園、図書館、ジムなど色んな場所を巡るが

いたるところに『老人』がいることに気づく。

「こうはなりたくない」と決心する主人公ですが とはいえ、何をして時間を過ごすべきかは分からない。

地獄その2:イキイキと生きる妻とのギャップ

手に職のある妻は日々仕事を楽しくこなし
誰かに必要とされている。

その様子を間近で見ていると 自分が必要とされていないことを実感する。

なぜ彼は地獄を見たのか?

①やりきったと感じられる満足感を
サラリーマン時代に得られなかったこと

②エリートゆえ、まわりから必要とされない
定年後の環境が耐え難い苦痛だったこと

③定年後でも働けるような
活きる特技を持っていなかったこと

彼を救ったのは何だったのか?

それは良くも悪くも人との出会いでした。
ネタバレになるのが嫌なので詳しくは作品を御覧ください。

自分の中に答えがない時、 新たな出会いが必要なのかもしれませんね。

社会にどう貢献したいのか気づいた『定年女子』

『定年女子』の概要

53歳の主人公は、商社の部長職を務める
キャリアウーマン。

しかしある時突然配置転換の辞令が下り、
異動先の部署では厄介払いされてしまう。

意を決して会社を退職し、次の人生を歩もうとするが、 年齢の面から苦戦する転職活動。

彼女は七転八倒しながらも自分が社会にどう貢献していくべきか気づいていく作品。

『メメント・モリ』の精神

作品の中で出てきた言葉です。

意味は
「死を思い、今を精一杯生きる」

この言葉はとても印象深く、
観た人の心に刻まれたようです。

良かった、 定年女子 ✨

草笛さん、さすがでした。
メメント モリ 
いつも意識したいものです…

生前葬。元気なうちに感謝の気持ちが伝えられるのって素晴らしい。— あーちゃん (@k_7860) 2017年8月27日

メメント モリ・・・昨日の「定年女子」で 知った言葉。— sweet_bittermemories (@merry_ebb) 2017年8月28日

定年女子
良いドラマでした。
メメント モリ— こっとん (@smapmap39) 2017年8月27日

肉体的な死だけでなく、
人から必要とされなくなるという社会的な死
そしてそこから来る精神的な死。

これらを意識するだけでなく、
「死」があるが故に今を精一杯生きる
行動に繋げていくことが大切と思います。

たしかに、私達がもし不老不死であったなら
 何か新しいことに挑戦することも
 何かに心動かされることも
 自分を変えようとすることも
出来ないのかもしれません。

この映像作品の最も大事にしている
根幹のテーマなのだと感じました。

「やらなくちゃ」ではなく「やりたい」が大事

会社を辞め、色んな仕事の面接を受ける中で、葬儀社の仕事が舞い込んできます。

もともとやりたいと思っていた仕事ではないが、いろいろな周囲の変化もあり、やらなくちゃいけないという思いで仕事を引き受けます。

ですが、段々と心持ちに変化が起き、私がやりたいことってなんなのか?考え始めます。

その答えが出た時、彼女は大胆な行動をし始めました。

彼女はどうやって、その答えを導き出したのでしょうか?

作品が気になる方はぜひ調べて観てみてください。

定年後川柳のご紹介

定年後川柳というものがあるのをご存知でしょうか?

映像作品ではございませんが、
定年を迎えた方々の心境を表現した
面白い川柳が読めるので是非御覧ください。

参考サイトはこちら

折角なのでいくつかご紹介します。

定年後 備えて探る 妻の趣味 (アラカン少年/50代・男性)

それまであまり気にしてこなかった妻の趣味に興味を持ち始めた定年間際の男性の心境が伺えますね。

定年後は一緒に趣味を楽しもうとしているのでしょうか。

ほっこりします。

確かに高齢者の社会活躍は大事なことだと思いますが、長年連れ添った伴侶との幸せな時間作りだって同じように大切なことだと思います。

なんとなく、今まで顧みなかった妻への反省を感じましたし、どこか愛を感じさせる川柳だと感じました。

定年後 嫁の帰りが 気に掛かる (たつ坊/50代・男性)

おそらく妻はイキイキと働いたり友人とご飯に行ったり、楽しんでいるのでしょう。

なんとなく寂しく妻の帰りを待つ夫の、小さく可愛らしい雰囲気が伝わってきました。

皆さんはどう感じましたか?

いまよりも 尻に敷かれる 定年後 (ちりめんじゃこ/50代・男性)

今ですら尻に敷かれているのに、定年後は更に。。。とほほ。。。

と言いつつも、それを自虐的にかつ若干楽しみにしているような雰囲気も感じました。

一緒に料理をしたり、洗濯したり、掃除したり。今まで出来なかった(してこなかった?)家事を手伝えるようになったと考えれば

尻に敷かれるのも悪くないなぁ(笑)

なんて肯定的に捉えましたが、皆さんはいかがでしょうか。

最後に

今回は定年後の生き方を描いた作品紹介になりました。

2作品だけですが、男性の場合と女性の場合、それぞれの立場で表現されておりますので、どちらかだけでもご覧になられるといいのではないでしょうか。

『定年は生前葬』

この言葉は私はネガティブに捉えていません。

正解は無いこの時代、あなたがやりたいと思うことをやるだけだと思うからです。

それぞれの人が、それぞれの価値観で、自分にあった生き方をしていこうと模索する。

ただそれだけだと思います。